コース紹介

地球惑星科学コースの対象とする学問範囲は非常に広く、固体地球の地下深部、地表付近の水圏環境、大気、生命の進化から太陽系の構成員としての地球の姿まで、壮大な対象を学びます。扱う時間のスケールも数千年〜数十億年という長大なものから、数日〜数年という短いスケールまで多岐に渡ります。地球惑星科学コースではこの広大な対象を大小様々な時間・空間スケールで理解するための教育・研究を行っています。

コースの理念・教育目標

  • 惑星「地球」をまるごと理解
  • 時間と空間を超えた幅広い視野
  • 実習を通じた、国際性・協調性・指導力の習得
  • 地球惑星環境のスペシャリスト育成
  • 地球の未来を担う最先端の人材育成

多様な見方の科学的能力の育成

「地球惑星科学」で用いる多様な時空間スケールで考える能力は、いかなる分野でも重要な資質です。惑星-人-生命が密接に関連する地球惑星環境を科学的に評価し、理解するための知識と手法を学習します。

地球を科学的視野で捉えるための教育

自然現象を客観的に理解し、科学的視野で見ることのできる人材の育成のために、①地球環境に関わる現象を多様な時空間スケールで捉える能力、②地球上の様々な現象について情報を収集、解析する能力を育成し、③地球と環境に関する幅広い知識を習得します。

教育内容

実験・実習・野外調査を重視した幅広いカリキュラム

自然現象に対して多様な時間的・空間的視野で理解する能力、地球惑星科学の幅広い知識と多様な実験・分析・調査方法を習得します。

1年次
共通教育科目や学類共通科目を履修します。
2年次
「基礎地質学」などの専門基礎科目や「岩石学実験」などの実験科目を学びます。
3年次
「層位・古生物学」などの講義、「地球物質分析実験」などの実験科目、野外での「地球学野外調査法」などにより専門性を磨きます。
4年次
「地球惑星科学課題研究」と「地球惑星科学文献演習」により課題解決能力と総合的な英語能力を養います。

Q&A

地球惑星科学コースやその先の院を卒業した方々の就職(仕事内容)について教えてください.
地球惑星科学コースおよび大学院の就職先は多岐にわたっています。研究・学習内容に近いところから遠いところまで様々です。
例えば、近いところでは、

  • 野外調査(地質や岩石の調査)の研究などを活かしたところでは、石油などの資源開発をする企業や地質調査や環境調査を行う企業
  • 鉱物や結晶の性質や構造の研究などを活かしたところでは、素材開発メーカー(ガラス会社、製鉄会社など)など
  • コンピューターを用いたデータ分析(地震波形や実験結果の分析など)の研究を活かしたところでは、情報系(ソフトフェアやIT系の会社)の企業
  • 大学で学んだ地学を含む理科一般の知識を活かしたところでは、出版関係(教科書、参考書、専門書などの出版社)があります。

遠いところでは、たとえば自動車メーカーや報道関係(新聞社、テレビ局)、商社、銀行などがあります。最近は学部学科不問という形で採用活動を行う企業も増えており、大学での学習・研究を通じて鍛える「問題を見つける能力、調べる能力、解決する能力、まとめる能力、発表する能力」が役に立っています。
公務員では、国家公務員、地方公務員(県庁、市役所)。専門性を活かしたところでは、国家公務員では気象庁(気象、火山,地震関係の業務)があります。地方公務員の場合は、広く行政に携わっています。

地球惑星科学コースで気象学は学べますか?
学べます。気象学も地球科学の重要な学問分野のひとつです。大気圏も、そのほかの生物圏、水圏、固体地球と同様に互いに密接に影響し合いながら、地球上での物質やエネルギーの循環に大きな役割を果たしています。特に近年、地球温暖化や大気汚染問題に伴う地域的な気象、グローバルな気候への影響を正確に把握することが求められています。現代社会が直面するこうした変化に我々が迅速に対応し、適応していくためにも、気象学が果たす役割は今後ますます重要になるでしょう。
地学を高校のときに受講してなかったのですが,大丈夫ですか?
問題ありません.高校地学の内容で,今後の大学の講義に必要な内容は,1年次に受講してもらいます.