ニュース・イベント

【公開講座<予告>】地球と生物の絶妙な関係 ~灼熱の地球誕生と海の形成・・・そしてこんなところにも!?~

2018/04/12

地球生物学研究室

地球惑星科学コースの森下教授とジェンキンズ助教による公開講座を実施します.
地球と海の誕生から極限環境に生きる生命まで,ダイナミックな「地球」と「生命」の歴史のエッセンスを講義します.

  • 日時:2018年11月17日(土)14時-17時
  • 場所:サテライト・プラザ(金沢市西町三番丁16)
  • 受講料:1500円(一般),600円(高校生以下)
  • 定員:40名
  • プログラム 14:00-15:30 森下教授「人類未踏の地球の深部「マントル」に隠された秘密」,ジェンキンズ「太古の海に誕生した原始生命と深海の生き物たち」
  • 申込期間:2018年8月1日(水)ー11月9日
  • 申込先:公開講座のHPから申込

【研究成果】日本で4例目となる化石鯨骨群集の発見

2018/04/04

地球事務

海底に沈んだ鯨の遺骸の腐敗過程に形成される「鯨骨群集」と呼ばれる特殊な生態系・生物群集があります.
今回,ジェンキンズ助教らの研究グループが北海道むかわ市の穂別地域から産出した千数百万年前(中新世)の鯨骨群集を発見し,日本古生物学会発行の英文誌「Paleontological Research」に論文が出版されました.

鯨骨の化石にAdipicolaという珍しい二枚貝が多数付着していました.Adipicolaは,現在の海洋でも鯨骨に付着し,腐敗で生じた硫化水素をエネルギー源としています.
今回の化石鯨骨に付着していたAdipicolaも現在と同じように,鯨骨から生じた硫化水素をエネルギー源とした鯨骨化石群集を形成していたものと考えられます.

鯨骨群集の化石が発見されることは珍しく,日本では1992年に第1号が発見されていますが,今回の報告でようやく4例目となります.

Adipicolaが密集するタイプの化石鯨骨群集は,イタリアや北海道初山別地域(日本海側)から見つかっておりましたが,北西太平洋側では発見されていませんでした.
今回の発見で,中新世においてAdipicola密集型の化石鯨骨群集が凡世界的に分布していることが確かめられました.

鯨類遺骸の腐敗環境は,深海の極限環境(熱水や冷水)への動物進出過程で進化的に重要な役割を果だしたとの仮説があり,化石記録の充実によってその仮説が検証されていくことが期待されています.

雑誌名: Paleontological Research, 22(2):105-111. 2018 (日本古生物学会の英文誌)
論文名: A new Miocene whale-fall community dominated by bathymodiolin mussel Adipicola from Hobetsu area, Hokkaido, Japan.
発表者名: Jenkins, R. G., Kaim, A., Amano, K., Sakurai, K. and Matsubara, K.
論文の解説へのリンク

論文はこちら(出版社のページ)

平成29年度 金沢大学 学位記・修了証書授与式が行われました

2018/03/23

地球事務

3月22日に平成29年度 学位記・修了証書授与式が行われました.
平松コース長より学位記,修了証書を受け取った卒業生と修了生の笑顔はとても晴れやかでした.

台湾の利吉メランジ中に産するトロクトライト―カンラン岩の岩石学から検討した東台湾オフィオライトの起源について

2018/03/23

地球事務

海洋/島弧深部物質の研究室の森下教授らは台湾の利吉メランジ中に産するトロクトライト(ハンレイ岩の一種)とカンラン岩の岩石学的特徴から、これらの岩石群(東台湾オフィオライト)の起源について検討した成果がMineralogy and Petrology誌に掲載されました。

台湾の利吉メランジ中には、玄武岩、ハンレイ岩、カンラン岩の岩片が含まれており、これらは東台湾オフィオライトと呼ばれる。オフィオライトとは過去の海洋プレートが陸上に露出したものであるが、台湾の場合は、複雑なテクトニクス履歴を持っているため、東台湾オフィオライトの起源(フィリピン海プレート、ルソン火山弧の影響を受けた島弧深部、ユーラシアプレートなど)については諸説ある。そこで、マントル起源の岩石群と考えられるカンラン岩やトロクトライト(ハンレイ岩の一種)の岩石学的特徴と周囲の岩石との比較を行った。この結果、ルソン火山弧の北方延長起源ではないことが明らかとなったが、フィリピン海プレートなのか、ユーラシアプレート起源であるかは、岩石学的に区別がつかず、将来的な年代学的検討が必要であるとした。本研究は、筆者の一人である小丸千尋さんの卒業研究の一部であり、この研究で使用した試料の一部は、金沢大学の野外調査学生実習で採取したものである。また、この研究は、別の研究に繋がっており、その成果も楽しみにしていて欲しい。

雑誌名: Mineralogy and Petrology
論文名: Petrogenesis of ultramafic rocks and olivine-rich troctolites from the East Taiwan Ophiolite in the Lichi mélange
発表者名: omoaki Morishita, Biswajit Ghosh, Yusuke Soda, Tomoyuki Mizukami, Ken-ichiro Tani, Osamu Ishizuka, Akihiro Tamura, Chihiro Komaru, Shoji Arai, Hsiao-Chin Yang, Wen-Shan Chen

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竜骨群集:白亜紀のウミガメ遺骸に依存した生物群集

2018/03/23

地球事務

鯨のような大型海棲脊椎動物の遺骸が海底に沈むと,その遺骸周辺に特殊な生物群集が形成され,それを鯨骨群集と呼びます.白亜紀には首長竜の遺骸周辺に類似の群集が形成されることが知られており,は虫類遺骸に形成される群集は竜骨群集と呼ばれています.今回,北海道中川町の白亜紀の地層から発見された祖先的なオサガメ類とともに,遺骸の腐敗過程に生じた硫化水素をエネルギー源とする竜骨群集を発見しました.ウミガメ類は白亜紀末の大量絶滅を乗り越えた数少ない海棲は虫類ですので,竜骨群集も白亜紀末の大量絶滅を乗り越えた可能性があります.

雑誌名: Acta Palaeontologica Polonica
論文名: Discovery of chemosynthesis-based association on the Cretaceous basal leatherback sea turtle from Japan.
発表者名: Jenkins, R. G., Kaim, A., Sato, K., Moriya, K., Hikida, Y. and Hirayama, R.
論文の解説へのリンク:http://www.geobiology.jp/publications/2017/discovery-of-chemosynthesis-based-association-on-the-cretaceous-basal-leatherback-sea-turtle-from-ja.html

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温暖な白亜紀の海洋に存在した冷水塊

2018/03/23

地球事務

地球生物学研究室のジェンキンズ助教および地球環境進化学研究室の長谷川教授らは後期白亜紀の北東太平洋の水深約200m前後に,温暖な白亜紀としてはかなり低温の水塊があったことを明らかにしました.

この結果は,カナダの太平洋沿岸に分布していた白亜紀の地層中に含まれる“石灰岩”に含まれる酸素の同位体比から当時の海底付近の水温を推定したことによってもたらされました.成果は Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology 誌487巻に掲載されました.

雑誌名: Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
論文名: Cool eastern rim of the North Pacific during Late Cretaceous time: a seep-carbonate paleothermometry from the Nanaimo Group, British Columbia, Canada.
発表者名: Jenkins, R.G., Hasegawa, T., Haggart, J. W., Goto, A. S., Iwase, Y. and Nakase, C.
解説へのリンク:http://www.geobiology.jp/publications/2017/cool-eastern-rim-of-the-north-pacific-during-late-cretaceous-time-a-seep-carbonate-paleothermometry-.html

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加熱による珪藻被殻の構造変化を解明

2018/03/07

地球事務

鉱物・結晶学講座奥野研究室の荒砂博士研究員は加熱による被殻の構造変化の過程を解明し、その成果がGeoscience letters volume5に掲載されました。

珪藻は様々な水環境に生息する藻類の一種です。珪藻の殻はバイオミネラリゼーションの結果として形成される含水の非晶質シリカでできていますが、そのナノ構造は不明でした。また、シリカガラスやシリカゲルといった無機的に合成される非晶質シリカ物質のナノ構造との比較は、物質科学的にも興味深いことです。本研究では、ラマン分光法を中心に珪藻の被殻構造を解析し、その構造がシリカの高温相であるクリストバライトや石英に似て、SiO4四面体の6員環を基本とすることを明らかにしました。また、同じ含水非晶質シリカ物質のシリカゲルとはナノ構造が大きく異なることを明らかにしました。

雑誌名: Geosceince letters
論文名: Structural change of the frustule of diatom by thermal treatment
発表者名: Arasuna A. and Okuno M.

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2018/01/24

地球事務

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