ニュース・イベント

【研究成果】不純物を含まないモノハイドロカルサイトの合成方法を確立

2020/04/14

地球事務

水質地球化学研究室の北島卓磨さん(博士前期課程2年)らは不純物を含まないモノハイドロカルサイトの合成方法を確立し、その成果が国際誌MINERALS誌に掲載されました。東京大学・東京工業大学・高エネ研との共同研究です。

水質地球化学研究室ではこれまでに、モノハイドロカルサイト(以下MHC)はリンやヒ素といった有害元素のすぐれた吸着材料として働くことを明らかにしてきました。しかし室内で合成されたMHCは必ず不純物として多量のマグネシウムを含み、不純物のマグネシウムは吸着効果を阻害することが問題となっておりました。本研究では、低温(5℃)で合成を行うことで、不純物をほとんど含まないMHCを作成できることを世界で初めて明らかにしました。この成果は厳冬期におけるモンゴル塩湖での鉱物生成現象からアイデアを得たものです。また本成果を利用することで、純度の高いMHCを簡単に合成することができ、環境浄化材料としての利用につながること期待されます。

雑誌名: MINERALS
論文名: Simple, Reproducible Synthesis of Pure Monohydrocalcite with Low Mg Content
発表者名: Kitajima T., Fukushi K., Yoda M., Takeichi Y., Takahashi, Y.
論文はこちら(出版社のページ:オープンアクセス)

福士圭介准教授らの研究成果がNature Index「Research Highlight」(2020年2月)に選出されました

2020/03/06

地球事務

世界トップクラスの研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベース「Nature Index」では,Nature Indexが選定した82ジャーナルに掲載された金沢大学所属の研究者の論文の中から,Springer Natureの編集チームが毎月1本選んで,”Research Highlight”として紹介してます。
2020年2月は,水質地球化学研究室の福士圭介准教授らの共同研究グループによる研究が”Mars rover pores over ancient lakes”と題して取り上げられています。
詳細はこちら(Nature Indexのページ)

【研究成果】フェリハイドライト(鉄さび)によるウラン吸着予測モデルを構築

2020/02/20

地球事務

水質地球化学研究室の小林ゆいさん(2018年度博士前期課程修了)、福士准教授、北海道大学小杉重順さんの研究グループは、フェリハイドライト(鉄さび)へのウラニル吸着素過程をモデル化することに初めて成功し、その成果が米国化学会発行の英文誌「Environmental Science and Technology」に掲載されました。

今回開発したモデルでは、自然界で想定される幅広いpH、塩濃度、ウラン濃度、二酸化炭素分圧条件における鉄さびによるウラン吸着挙動を予測できます。長年試行錯誤されてきた鉄さびによるウラン吸着予測モデルの最終決着版ともいえるものです。

雑誌名: Environmental Science and Technology
論文名: A Robust Model for Prediction of U(VI) Adsorption onto Ferrihydrite Consistent with Spectroscopic Observations
発表者名: Kobayashi Y, Fukushi K, Kosugi S.
論文はこちら(出版社のページ)

【研究成果 : GSC】南海トラフ深部のゆっくりすべりの時間変化を解明

2020/02/05

地震学研究室

2018年度に金沢大学GSC(グローバルサイエンスキャンパス)の第2ステージで平松研で研究活動を行なった横浜サイエンスフロンティア高等学校の河野さんと修士課程の中本さん、地震学研究室の平松教授は南海トラフ深部のゆっくりすべりの時間変化について Earth, Planets and Space 誌に発表しました。

南海トラフの沈み込み帯における深部低周波微動の解析から、短期的スロースリップイベントと深部低周波微動が同期して発生する領域のゆっくりすべりの地震モーメント解放率の時間変化を推定しました。

その結果、南海トラフ深部でのゆっくりすべりの活動には2011年東北地方太平洋地震の影響はなかったこと、紀伊南部および中部では長期的なゆっくりすべりの地震モーメント解放率の減少が見られたことを報告し、プレート境界面の摩擦状態が変化した可能性を論じました。

雑誌名:Earth, Planets and Space
論文名:Temporal variation in seismic moment release rate of slow slips inferred from deep low-frequency tremors in the Nankai subduction zone
発表者名:Yoko Kono, Keita Nakamoto, Yoshihiro Hiramatsu
論文はこちら(出版社のページ)

【研究成果】火星の水はミネラル豊富な塩味だった -太古の火星が生命生存に適した星だったことを水の水質復元から立証!-

2019/11/05

地球事務

水質地球化学研究室の福士圭介准教授,大学院自然科学研究科博士前期課程1年の森田康暉さん,東京工業大学地球生命研究所の関根康人教授(金沢大学環日本海域環境研究センター客員教授),米国・ハーバード大学のRobin Wordsworth(ロビン・ワーズワース)准教授,物質・材料研究機構の佐久間博主幹研究員らの共同研究グループは,太古の火星に存在した水の水質復元に世界で初めて成功し,塩分やpHといった火星の水質が生命の誕生と生存に適したものであることを明らかにしました。

詳しくはこちら(金沢大学プレスリリース)

雑誌名: Nature Communications
論文名: Semiarid climate and hyposaline lake on early Mars inferred from reconstructed water chemistry at Gale
発表者名: Fukushi K, Sekine Y, Sakuma H, Morida K, Wordsworth R.
論文はこちら(出版社のページ)

バスカさん・今村さん日本地球惑星科学連合2019年大会 学生優秀発表賞受賞

2019/07/16

地球事務

水質地球化学研究室のBaasansuren Gankhurelさん(博士後期課程1年)と実験地形学・堆積学研究室の今村 明弘さん(博士前期課程2年)が、日本地球惑星科学連合2019年大会で学生優秀発表賞を受賞しました。

詳しくはこちらをご覧ください。

【研究成果】酸化マグネシウムによる亜セレン酸吸着挙動とメカニズムを解明

2019/06/25

地球事務

水質地球化学研究室の福士准教授と宮下駿さん(2017年度博士前期課程修了)は、クニミネ工業株式会社、デンマーク工科大学、東京大学と共同で、酸化マグネシウムによる溶存有害陰イオン除去挙動とメカニズムを解明し、その成果が英文誌「Journal of Hazardous Materials」に掲載されました。

近年火力発電所などの工業廃水処理において、セレンなど有害陰イオン種の除去方法の確立が強く望まれています。本研究では高比表面積酸化マグネシウムは高pH条件において、これまで知られるどの鉱物系吸着材よりも優れた亜セレン酸吸着能を示すことを見出しました。さらに透過型電子顕微鏡と放射光施設を用いた先端分析から、亜セレン酸除去のメカニズムは、酸化マグネシウムが水酸化マグネシウムに相転移する際の微量元素共沈であることを明らかにしました。

雑誌名: Journal of Hazardous Materials
論文名: Superior removal of selenite by periclase during transformation to brucite under high-pH conditions
発表者名: Fukushi K, Miyashita S, Kasama T, Takahashi Y, Morodome S.
論文はこちら(出版社のページ)

Natureにジェンキンズ助教のインタビュー記事が掲載されました!

2018/10/15

地球事務

研究拠点としてみた金沢という視点でNature編集部からジェンキンズ助教がインタビューを受け,記事になりました.記事の概要は以下の通りです.

江戸時代から続く街並みや伝統芸能文化も色濃く残る金沢に住む人々は,学問や文化に理解があり,高い教養を持っている.その証拠に,小中校生を対象とした全国規模の学力テストでも石川県は常に上位に入っている.そういう学問を好む風潮は,金沢の地で研究をする者にとってもありがたい.加えて,ほどよく東京や大阪,名古屋などの大都市から離れていて,自然も近く,研究に集中できる環境が整っている.ジェンキンズ助教は,海底熱水噴出域などの極限環境への生物進化が,海底に沈んだ大型脊椎動物の腐敗環境の適応によってなされたとの仮説に基づいて研究しています.近年,白亜紀の地層からウミガメ遺骸の腐敗環境に生息する生物を発見し,その検証のために能登半島沖にウミガメ遺骸を設置し,海洋での腐敗研究を展開しています.このような腐敗実験を都会の近海で実現するのは難しく,ほどよく自然が残された能登,そしてそこから近い金沢だからこそできたのでしょう.地方都市ではあるが,文教都市である金沢の利点を活かした研究が,生命の進化を解き明かすでしょう.

記事は以下のページでお読みいただけます.掲載された写真で,腐敗中のウミガメの脇をスキューバダイビングで泳いでいるのは地球学コース修士2年生の鈴木碧さんです.

詳しい内容はこちらから(Natureのページ)

【研究成果】モンゴル・エルデネト鉱山周辺の河川と池でのモリブデン溶出機構を解明

2018/07/30

地球事務

水質地球化学研究室のSolongo Tsetsegeeさん(博士後期課程2年)らはモンゴル・エルデネト鉱山周辺の河川と池でのモリブデン溶出機構を解明し、その成果がMINERALS誌に掲載されました。

2017年からモンゴル国立大学・東京大学と共同で、世界最大規模の銅-モリブデン鉱山(エルデネト鉱山)地域での有害元素の環境動態調査を行っております。エルデネト市を流れる河川では、重金属濃度は極めて低いものの、モリブデン濃度は結構高いです。本研究はこの原因解明を目的として、エルデネト地域の河川と池から採取した堆積物に含まれるモリブデンの存在状態を化学抽出分析とSPring-8を利用した放射光分析によって調べました。その結果、モリブデンは堆積物中の鉄酸化物にかなり弱い力で吸着して存在することがわかりました。

溶液にとけているモリブデンはあまり堆積物に吸着せず、吸着したとしてもちょっとした水質変動により比較的容易に水に溶出してしまいます。その結果、河川のモリブデンは強く吸着しがちな重金属などよりも高い濃度をしめすと考えられます。

雑誌名: MINERALS
論文名: Distribution and chemical speciation of molybdenum in river and pond sediments affected by mining activity in Erdenet city, Mongolia
発表者名: Solongo T, Fukushi K, Altansukh O, Takahashi Y, Akehi A, Baasansuren G, Ariuntungalag Y, Enkhjin O, Davaajargal B, Davaadorj D, Hasebe N
論文はこちら(出版社のページ:オープンアクセス)

【研究成果】アルカリ塩湖の水質は準安定な含水炭酸塩鉱物にコントロールされる

2018/07/30

地球事務

水質地球化学研究室の福士准教授と松宮春奈さん(2017年度卒業)は、アルカリ塩湖の水質制御機構を実験と理論により予測し、その成果が米国化学会発行の英文誌「ACS Earth and Space Chemistry」に掲載されました。

大陸内部の乾燥地域には、高塩分・高pH・高炭酸イオン濃度の水質をもつアルカリ塩湖が広範に分布しています。アルカリ塩湖では含水カルシウム炭酸塩であるモノハイドロカルサイト(MHC)の生成が頻繁に認められますが、MHCの生成条件、塩湖の水質に及ぼす影響、さらに塩湖における炭素循環に果たす役割はよくわかっておりませんでした。

水質地球化学研究室では、これまでにMHCの合成実験、合成試料の放射光分析およびMgを含有するMHCの第一原理計算を行い、MHCの生成にはMgを必要とすること、MHC中のMgは主に別相としてMHCに付随する非晶質炭酸マグネシウム(AMC)であることを示してきました。本研究では、塩湖環境を模擬した溶液中におけるMHCおよびAMCの溶解度測定を行い、自然界のアルカリ塩湖の水質はMHCおよびAMCの生成過程によって制御されていることを突き止めました。

本研究は従来見過ごされていた準安定相が普遍的にアルカリ塩湖の水質を支配することを示しました。準安定相であるMHCやAMCは時間とともに安定な炭酸塩鉱物へと自発的に変質します。MHCおよびAMCとの平衡により水質が支配されるアルカリ塩湖は、これら準安定相の変質過程を介して二酸化炭素を自発的・不可逆的に堆積物に固定する機能を持つことが予想されます。

雑誌名: ACS Earth and Space Chemistry
論文名: Control of Water Chemistry in Alkaline Lakes: Solubility of Monohydrocalcite and Amorphous Magnesium Carbonate in CaCl2–MgCl2–Na2CO3 Solutions
発表者名: Fukushi K, Matsumiya H
論文はこちら(出版社のページ)

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